売掛保証とは?ファクタリングとの違いと売掛保証サービスの流れを解説
- FA
- 6月12日
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更新日:6月13日

目次
売掛保証とは?ファクタリングとの違いと売掛保証サービスの流れを解説

売掛保証とは
売掛保証とは、取引先の資金繰りの悪化や倒産など、何らかの理由で支払いの遅延が発生、または回収が困難になってしまった売掛金を、取引先に代わって保証してくれるサービスです。
企業間取引においてよく利用される請求書払いといった後払いの取引においては、商品やサービスの提供後に売掛金を回収することになります。入金期日までにスムーズに支払いが行われれば問題はありませんが、ときには未回収が生じてしまうこともあります。売掛保証サービスを利用すれば、このような未回収リスクから解放されるので上手に使いこなすことで便利になるサービスでしょう。
仕組み
売掛保証は、法人と屋号のある個人事業主の保有する売掛債権を、以下のグラフの事態により回収できなくなったとき保証する仕組みです。
倒産 | 破産 民事再生 不渡り |
支払い遅延(1か月以上の支払い遅延) | 資金不足 事務所閉鎖 |
⚠️保証されない債権
保証開始日より前に発生している取引の債権
既に遅延している債権
合意を得ていないなどトラブルにより未入金となった債権
一般消費者との取引による債権

ファクタリングとの違い
売掛保証は、別名「保証型ファクタリング」と呼ばれるため、別のサービスとは言い切れません。
しかし一般的な事業者向けの買取型ファクタリングとは、サービス内容が大きく異なります。
買取型ファクタリングとは、期日が到来していない売掛金をファクタリング会社に売却することで、現金化できる金融サービスです。
そのため売掛債権をファクタリング会社へ譲渡する必要があります。
一方売掛保証は、売掛債権を保有したまま、未回収になったときに保証会社から保証金を受け取る仕組みです。
売掛保証の保証金は、取引先の倒産や入金遅延など一定事由が発生したときに受け取りができるため、資金調達目的では活用できません。
買取型ファクタリングであれば、最短即日入金などすぐに手元のお金を増やさなければならない状況にも対応できるなど、資金調達目的での活用が可能です。
売掛保証サービスの保証までの流れ
1.取引先の登録
売掛保証を利用するには、取引先の基本情報や取引内容を保証会社に登録をします。保証会社は、取引先の信用情報をもとに、その企業との取引リスクを評価します。
2.審査の実施
保証会社は、提出された情報をもとに、取引先の与信審査を行います。審査の結果により、保証契約が成立するか否かが決定されます。もし取引先に対して高いリスクが認められる場合、保証契約は難しくなるか、契約可能でもその取引の保証限度額が減額される場合があります。また、この審査は迅速に行われ、取引先には知らされません。
3.保証開始
売掛保証を利用において、必要書類を提出後に審査結果が通知され、適格債権と判断されれば保証が開始します。
4.代金未払いの発生
保証会社と契約し取引が行われた後、万が一取引先からの支払いが遅延、倒産などで回収が不可能になった場合、売掛保証が適用されます。
5.保証金の支払い
代金未払いが確認され、保証請求を行うと、保証会社が所定の審査を経て保証金を支払います。この保証金により、未回収の売掛金による損失を補填し、ビジネスの安定性を維持することができます。

売掛保証のメリット
未払いリスクの軽減
売掛金が未払いになった場合、保証会社が代わりに支払うため、企業は安心して取引を行えます。未回収のリスクが減少し、経営の安定性が向上します。特に中小企業にとっては、売掛金の未回収は重大な経営リスクとなりますが、保証会社がそのリスクをカバーすることが出来ます。
キャッシュフローの安定化
キャッシュフローが悪化する要因のひとつとして、売掛債権の貸し倒れがあります。取引先の経営状態の悪化により売掛金の回収が困難になることがありますが、これを避けるためには取引を開始する前にしっかり与信審査を行うことが重要です。売掛金の未回収リスクを解消できることで、企業のキャッシュフローが安定し、計画的な資金運用が可能となります。
販売拡大の促進
売掛保証を利用することで、企業は未回収リスクの管理から解放されるため、大きなメリットがあります。さらに、保証会社が与信審査を代行するため、自社で審査をする必要がありません。これにより、売掛金の管理や回収にかかる時間と労力を大幅に削減でき、その分のリソースを事業拡大や顧客サービスの向上に活用できます。
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