法人税の申告期限を過ぎたらどうなる?延長・罰則・対応策を解説【2025年版】
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- 7月8日
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目次法人税の申告期限を過ぎたらどうなる?延長・罰則・対応策を解説【2025年版】
法人税の申告期限とは?いつまでに申告が必要か
申告期限の基本(決算から2カ月以内)法人税の申告期限は、原則として事業年度終了日(決算日)の翌日から2カ月以内です。たとえば3月末決算の場合、申告・納付の期限は5月末日になります(土日祝日の場合は翌営業日)。
この期限内に、所轄の税務署へ法人税の確定申告書を提出し、納付まで済ませる必要があります。
延長申請が可能なケースとは一定の条件を満たせば、申告期限を最長1カ月まで延長することが可能です。延長には以下の2点が必要です:
株主総会等の都合で決算確定が遅れる合理的理由があること
事前に「申告期限延長の申請書」を税務署に提出していること
ただし、延長申請を行っていなかった場合は、自動的に延長されることはありません。

申告期限を過ぎたらどうなる?【ペナルティ解説】
申告期限を過ぎてしまった場合、原則として罰則が科されます。主なペナルティは以下の通りです。
無申告加算税とは法人税の確定申告を期限までに提出しなかった場合、「無申告加算税」が課されます。加算税の税率は以下の通り:
期限後に自主的に申告した場合:5%
税務署から指摘された後に申告:10〜15%
納税額が大きいほど、加算税のインパクトも大きくなります。
延滞税の発生条件と計算方法納付が遅れた場合、「延滞税」も発生します。延滞税は、納付期限の翌日から納付日までの日数に応じて計算されます。
延滞期間 | 延滞税率(2025年現在) |
納期限の翌日~2カ月以内 | 年2.5%程度 |
2カ月超 | 年8.7%程度 |
利息のように日割りで加算されるため、対応が遅れるほど損失が増大します。
青色申告の取り消しリスク期限内に申告を行わない場合、青色申告の承認が取り消される可能性があります。青色申告の特典(欠損金の繰越控除や30万円未満の資産の即時償却など)が失われると、翌年度以降の法人税額に大きな影響を及ぼします。
期限後でも延長できる場合がある?
通常、申告期限の延長は事前申請が必要ですが、例外的に「期限後でも延長が認められる」ケースがあります。
災害・病気・やむを得ない理由がある場合たとえば、以下のような正当な理由がある場合は、申告期限後でも**「期限後申告」**が認められ、加算税の軽減または免除がされることがあります。
代表者が病気や事故で入院
会計担当者が急病で決算処理ができなかった
自然災害(地震・水害など)で業務が停止した
このような場合は、その事実を証明できる書類の提出が必要です。
期限後申告と「期限内申告」の違い期限内申告: ペナルティなし、青色申告継続可
期限後申告: 原則として加算税・延滞税が発生、青色申告の取消リスクあり
ただし、自主的に速やかに期限後申告を行うことで、ペナルティを軽減できる可能性があります。

今すぐできる対応策と相談先
法人税の申告期限を過ぎてしまっても、早期対応が最も重要です。ここでは、申告遅れに気づいた後に「今すぐできる対処法」と「相談すべき相手」について解説します。
税務署にすぐ連絡すべき理由まず行うべきは、所轄の税務署へすぐに連絡することです。
自主的な申告意志を示すことで、悪質性を否定できる
状況説明により、加算税や延滞税の軽減が認められる可能性がある
必要書類や手続きについての案内を受けられる
税務署に連絡しないまま放置すると、税務調査や強制処分(差し押さえ等)の対象となるおそれがあります。
税理士への相談が有効なケース申告書の作成や税務署対応に不安がある場合は、税理士に相談するのが最善です。
書類作成を迅速に代行してくれる
加算税や延滞税の試算をしてもらえる
税務署とのやりとりも代理で行える場合がある
すでに申告期限が過ぎてしまっているなら、「できるだけ早く・正確に申告する」ことが最大のリスク回避策となります。
過去分の申告もできる?期限後申告の手順仮に複数年分の申告が未済の場合でも、あきらめる必要はありません。
原則として過去5年分までは申告可能
会計帳簿・領収書等を基に、順次正しい申告を行う
税務署や税理士と連携して、計画的に処理する
無申告の状態を放置していると、追徴課税や税務調査のリスクが年々高まります。期限後であっても、今からでもできる対応を始めましょう。

中小企業が気をつけるべきポイント
申告期限の過ぎてしまった経験を活かし、今後同じ失敗を繰り返さないための予防策を整理しておきましょう。
社内の申告スケジュール管理の重要性決算月から逆算した社内のスケジュール表を作成
担当者不在や急病に備えた複数名体制の準備
会計ソフトやリマインドアラートを活用した自動通知設定
社内の仕組みで「うっかりミス」を防ぐ環境づくりが不可欠です。
税理士との連携強化でミスを防ぐ税理士との契約内容を見直し、定期的な進捗報告や月次決算の整備を依頼
申告直前ではなく、決算1〜2カ月前から事前準備をスタート
緊急時に対応できる体制(顧問契約・チャット相談など)の検討
専門家との連携は、リスクの早期発見と予防の鍵になります。

よくある質問
Q1:法人税の申告期限を1日でも過ぎたら罰則はありますか?A:はい、原則として「無申告加算税」「延滞税」の対象になります。ただし、自主的に速やかに申告すれば、加算税が軽減されることがあります。
Q2:事前に申請していなかったが、期限延長は可能ですか?A: 原則は不可ですが、災害や病気などの「やむを得ない事情」があれば、期限後申告が認められ、ペナルティが軽減される可能性もあります。
Q3:延滞税はいくらぐらいかかるの?A:納付が2カ月以内なら年約2.5%、それ以降は年約8.7%が目安です(2025年現在)。日割りで計算されるため、早い対応が重要です。
Q4:電子申告でも期限を過ぎていたら同じペナルティが課されますか?A:はい。申告方法にかかわらず、期限を過ぎていれば同様に加算税・延滞税の対象となります。
まとめ|申告期限を過ぎたら「すぐに対応」が鉄則
法人税の申告期限を過ぎてしまった場合でも、焦らず、すぐに行動することが重要です。ペナルティのリスクはありますが、早期の申告・納付によって加算税や延滞税を最小限に抑えることができます。
また、税務署や税理士と連携することで、正しい手続きや今後の再発防止策を講じることが可能です。





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