買掛金とは?買掛金の会計処理と仕訳方法を解説【初心者向け】
- FA

- 7月9日
- 読了時間: 4分

目次買掛金とは?買掛金の会計処理と仕訳方法を解説【初心者向け】
買掛金とは?意味と基本の考え方
買掛金とは買掛金とは、「モノやサービスを受け取ったけれど、まだ代金を払っていない状態」で発生する“支払う約束のあるお金”のことです。
たとえば:
6月1日に10万円分の商品を仕入れて、「6月末に支払います」と約束したとします。
この「まだ支払っていないけど支払う必要のある10万円」が買掛金です。
簿記では「負債」として処理会計では、買掛金は「貸借対照表」の「負債」に分類されます。つまり、将来支払わなければならない義務を表すものです。
買掛金が発生する具体的なケース
買掛金は、以下のような“後払い”の取引で発生します。
取引例 | 買掛金が発生する理由 |
商品を仕入れて翌月末払い | 商品だけ先にもらって支払いは後だから |
外注先に業務委託し、納品後に支払う | サービスを受けたが、まだお金を払っていない |
月末締めの請求書(光熱費やサービス利用料など) | 月末にまとめて支払う契約だから |
特に製造業・小売業・建設業など、仕入や外注が多い業種では買掛金の金額も多くなりがちです。

買掛金の会計処理と仕訳方法
仕訳とは?仕訳とは、取引を帳簿に記録する際の“ルールに従ったメモ”のようなものです。買掛金は、「発生したとき」と「支払ったとき」に仕訳が必要です。
買掛金が発生したとき(仕入れたとき)例:10万円分の商品を仕入れて、支払いは来月
借方:仕入 100,000円
貸方:買掛金 100,000円
→ 仕入れたので「仕入」を増やす(費用)、
→ まだ払っていないので「買掛金」が増える(負債)
買掛金を支払ったとき(支払日)例:上記の買掛金を、銀行から振り込んで支払った
借方:買掛金 100,000円
貸方:普通預金 100,000円
→「買掛金」を減らし(借方)、
→「銀行口座」からお金が減った(貸方)
振込手数料がかかった場合銀行振込で、手数料550円が差し引かれた場合
借方:買掛金 100,000円
支払手数料 550円
貸方:普通預金 100,550円
→ 実際の出金額に応じて、手数料も費用として記録します。
売掛金との違いとは?混同を防ぐポイント
よく似た言葉に「売掛金(うりかけきん)」がありますが、意味は真逆です。
用語 | 意味 | 経理での分類 |
買掛金 | 後払いで“払う側” | 負債(支払う義務) |
売掛金 | 後払いで“もらう側” | 資産(受け取る権利) |
💡見分けるコツ
自社がお金を払う側 → 買掛金
自社がお金をもらう側 → 売掛金

買掛金に関する注意点と経理処理のコツ
支払期限の管理を徹底する取引先との信頼関係に直結します。
支払日をExcelや会計ソフトで一覧化すると便利です。
記帳ミスを防ぐために会計ソフトを使う「いつ何を仕入れて、いくら払うか」が自動で記録されるため安心。
クラウド会計ならスマホでも確認・入力可能です。
期末には「残高チェック」を忘れずに帳簿上の買掛金と、仕入先からの請求書の金額が一致しているか確認しましょう。

よくある質問
Q1:買掛金と未払金の違いは?A:買掛金は“仕入れに関する負債”、未払金は“仕入以外の未払(例えば備品や交通費など)”のときに使います。
Q2:買掛金の支払日はどうやって決まる?A:取引先との契約で「月末締め翌月末払い」など決められています。請求書に記載されていることが多いです。
Q3:現金でその場で支払ったら、買掛金は発生しない?A:はい。買掛金は“後払い”のときだけ発生します。現金払いなら「仕入/現金」の仕訳だけでOKです。
Q4:買掛金ってどうやって減っていくの?A:支払いが済むたびに「買掛金」が減っていきます。仕入が多ければ多いほど、残高も増えやすくなります。
まとめ|買掛金の会計処理は「発生時」と「支払時」に分けて理解しよう
買掛金は、「後払い取引」の中で発生する重要な経理項目です。発生したときと、支払ったときに正しく仕訳することが、会社の資金繰りや決算の精度を高めることにつながります。
特に中小企業や個人事業主にとっては、支払期日の管理や残高チェックが信用維持に直結します。わからない点がある場合は、税理士や会計ソフトのサポートをうまく活用しましょう。





コメント