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限界利益の基礎知識|計算式・限界利益率・改善方法を初心者向けにわかりやすく解説

  • 執筆者の写真: FA
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  • 8月10日
  • 読了時間: 6分

限界利益の基礎知識


目次









限界利益の基礎知識|計算式・限界利益率・改善方法を初心者向けにわかりやすく解説



利益率



はじめに:「限界利益」とは?

限界利益の定義:売上から変動費を引いたもの

限界利益とは、売上高から「変動費」を差し引いた金額のことです。変動費とは、売上に比例して増減する費用のことで、例えば製品を作るための材料費や、販売数に応じて支払う販売手数料などが当てはまります。

たとえば、1個500円でお菓子を販売していて、材料費が1個あたり200円かかるとします。この場合、1個販売するごとに残る利益は500円 − 200円 = 300円です。この300円が限界利益となります。

限界利益は「売上から直接引ける利益」として、企業が儲かっているかどうかを判断するうえで非常に重要な数字です。






なぜ重要?経営判断に役立つ理由

限界利益は、**固定費をまかなうための“原資”**になります。固定費とは、売上が増えても減っても変わらない費用のことで、家賃や人件費などが代表例です。

例えば、毎月の固定費が100万円かかる会社の場合、限界利益が合計で100万円を超えれば黒字、下回れば赤字となります。つまり、限界利益は「損益分岐点」を計算したり、値下げ・値上げの戦略を考えたりするうえでの基礎となる数字です。






計算



限界利益の計算とその活用法

基本の計算式

限界利益の基本計算式はとてもシンプルです。


限界利益 = 売上高 - 変動費


  • 売上高:500万円

  • 変動費:300万円(材料費、販売手数料など)


→ 限界利益 = 500万円 − 300万円 = 200万円

この200万円が、固定費や最終的な利益を生み出すための原資になります。





限界利益率とは?

限界利益の「割合」を表す指標が限界利益率です。


限界利益率(%)= 限界利益 ÷ 売上高 × 100


例えば、限界利益が200万円で売上高が500万円なら、

200万円 ÷ 500万円 × 100 = 40%


この場合、売上の40%が固定費の回収や利益に充てられていることになります。限界利益率が高ければ高いほど、売上増加がそのまま利益増加につながりやすくなります。






損益分岐点との関係

損益分岐点とは、売上と費用がちょうど同じになる「利益ゼロ」の売上高のことです。損益分岐点は、以下の式で求められます。


損益分岐点(売上高)= 固定費 ÷ 限界利益率


例えば、固定費が100万円で限界利益率が40%なら、

100万円 ÷ 0.4 = 250万円


つまり、売上が250万円を超えると黒字に、下回ると赤字になります。限界利益を知ることで、会社が黒字になるために必要な売上高がわかります。






その他の利益との違いを理解しよう

営業利益との違い
  • 限界利益:売上高 − 変動費

  • 営業利益:売上高 −(変動費+固定費)


限界利益は「固定費をまかなう前の利益」、営業利益は「固定費も引いた後の利益」です。限界利益がプラスでも営業利益がマイナスであれば、固定費の削減や売上増加の必要があります。






粗利益(売上総利益)との違い

粗利益は「売上高 − 売上原価」で計算します。売上原価には、変動費だけでなく固定費が含まれることもあります。

一方、限界利益は変動費だけを差し引くため、より“売上の直接的な稼ぐ力”を表します。






経常利益・純利益との違い
  • 経常利益:営業利益に金融活動(受取利息や支払利息など)を加味した利益

  • 純利益:経常利益から税金や特別損益を引いた最終的な利益


限界利益は「営業利益よりも前の段階」の数字です。






貢献利益との違い

貢献利益は「売上高 − 変動費 − 直接固定費」で求めます。直接固定費とは、その商品や部門だけにかかる固定費です。限界利益よりもさらに細かく「どの商品が利益を生んでいるか」を分析できます。






役立つヒント



実務に活かす限界利益のコツと注意点
限界利益を改善するには何をすれば良い?
  1. 変動費を削減

    例:仕入れ単価の見直し、仕入先の変更

  2. 価格戦略の見直し

    例:値上げや高付加価値商品の投入

  3. 固定費の効率化

    限界利益が十分でも固定費が高すぎると営業利益が減るため、両方を見直す必要があります。






事業継続の判断にも使える

限界利益がプラスであれば、固定費回収の可能性があり、事業継続の価値があります。逆にマイナスの場合、事業モデルや価格設定を見直す必要があります。






よくある質問



よくある質問

Q1. 限界利益とは簡単に言うと何ですか?

A. 限界利益とは、売上高から変動費を差し引いた利益のことです。変動費は売上に応じて増減する費用で、材料費や販売手数料などが該当します。限界利益は、固定費をまかなえるかどうかを判断する基準となります。






Q2. 限界利益と営業利益の違いは何ですか?

A. 限界利益は「売上 − 変動費」、営業利益は「売上 −(変動費+固定費)」で計算します。限界利益は固定費を引く前の利益で、営業利益は固定費も差し引いた後の利益です。






Q3. 限界利益率とは何ですか?

A. 限界利益率は、売上に占める限界利益の割合を示す数値です。計算式は「限界利益 ÷ 売上高 × 100」で求められます。高いほど売上増加が利益に直結しやすくなります。






Q4. 限界利益と粗利益は同じ意味ですか?

A. 違います。粗利益は「売上 − 売上原価」で計算し、売上原価には固定費が含まれる場合もあります。一方、限界利益は変動費だけを差し引くため、より直接的な利益を表します。






Q5. 限界利益はどのように経営判断に使えますか?

A. 限界利益を使うと、損益分岐点の計算や値下げ・値上げの影響分析、販売戦略の見直しなどが可能になります。また、商品別・部門別に限界利益を計算することで、利益貢献度の高い領域に集中する戦略を立てられます。



まとめ|限界利益は経営判断の出発点になる重要指標

限界利益とは、売上から変動費を引いた利益であり、企業がどれだけ効率的に稼げているかを示す数字です。限界利益を把握すれば、損益分岐点の計算や価格戦略、商品別の利益分析など、幅広い経営判断に活用できます。


  • 限界利益率が高いほど、売上増加が利益に直結しやすい

  • 営業利益や粗利益との違いを理解することで、正確な経営分析が可能

  • 改善策としては「変動費の削減」「価格戦略の見直し」「高利益率商品の強化」が効果的


数字が苦手な方でも、限界利益を理解すれば経営の見える化が進み、戦略的な意思決定ができるようになります。ぜひ、自社の売上・費用データを使って限界利益を計算し、事業の改善に役立ててみてください。

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