ファクタリングを断られたのはなぜ? 審査基準・原因・通過するためのポイントを解説
- FA
- 2月13日
- 読了時間: 9分
更新日:4月10日

ファクタリングで資金調達を図ろうとしたものの利用を断られたという経験がある方は、その原因が何だったのか気になっているのではないでしょうか。この記事では、審査の基準、ファクタリングを断られてしまう理由、通過するためのポイントを解説します。
ファクタリングとは
企業が保有する売掛債権(請求書)をファクタリング会社が買取りし、取引先から売上が支払われる前にファクタリング会社から現金を受け取れるサービスです。
ファクタリングには2社間契約と3社間契約があり、2社間契約の場合は取引先に知られる事なくファクタリングサービスを受ける事が出来ます。3社間契約の場合は取引先からファ
クタリング会社に直接支払われる事になります。
ファクタリングについては下記コラムで詳しく解説しています。
ファクタリングの審査通過率
一般的な通過率は70%程度
ファクタリングの一般的な審査通過率は、70%前後と言われています。金融機関による融資の審査通過率は一般的に50〜60%程度と言われているため、融資よりは審査を通りやすいと言えますが、それほど高いわけではありません。
なぜ、多くのファクタリング会社が審査通過率90%以上と公表できるのか。そこにはファクタリングという仕組み特有の理由があります。
通過率が90%と表記される理由
審査通過率が90%以上と表記されているファクタリング会社の多くは、大手のファクタリング会社です。多くの取引を行っている大手ファクタリング会社では、大小さまざまな案件を扱います。その際、買い取る債権の大きさや信用度によって掛け目を調整しています。掛け目とは、この場合、債権の金額に対するファクタリング金額の割合です。
例えば、回収が確実な100万円の売掛金ならば70%の掛け目で70万円をファクタリングしますが、回収が不安な場合には掛け目は10%で10万円しかファクタリングしない場合もあります。しかし、どちらの場合でもファクタリングを行っているので、審査には通過していることになります。
また、大手ファクタリング会社では、2社間ファクタリングだけではなく3社間ファクタリングも取り扱っています。2社間ファクタリングでは、利用者が売掛金を回収してファクタリング会社に支払いますが、3社間ファクタリングでは、売掛金の支払者が直接ファクタリング会社に支払います。そのため、3社間ファクタリングのほうが信用度は高く、審査の通過率が高くなるのです。
ファクタリングを断られたのはなぜ? 審査基準・原因・通過するためのポイントを解説

ファクタリング会社の審査基準
売掛先の信用度
売掛先との取引期間の長さ
代金を確実に回収できるか
利用者は社会的に信頼できる人物か
不良債権ではないか
実態のある取引か
売掛先の信用度
ファクタリングの審査で最も重視されるのは、売掛先の社会的な信用力です。ファクタリング会社からすれば、買い取った債権が回収不能になっては困ります。そのリスクを調べるには、売掛先の信用度を調査するのが一番というわけです。分かりやすい例で言うと、売掛先が有名な大手企業や上場企業、または公的機関であれば、そうではない売掛先に比べると信用度が高くなり審査を通りやすくなります。
売掛先との取引期間の長さ
ファクタリング利用者の企業と売掛先との取引実績も、ファクタリングの審査対象に含まれます。取引期間が長ければ長いほど売掛先との信頼関係が良好であると判断できるため、継続的に取引している期間が長い方がファクタリングの審査では有利です。反対に、はじめて取引する相手の場合は、関係を構築できていないことが問題視され、審査を通りにくくなる可能性があります。
代金を確実に回収できるか
売掛先の経営状況が非常に悪い場合や、既に売掛金が不良債権となっている場合など、債権の回収が難しいと判断される場合は、審査に通るのは難しいでしょう。
また、売掛金の回収期間が長すぎる場合も、その間に回収できなくなる可能性が高まるため審査に通らない理由となる場合があります。
利用者は社会的に信頼できる人物か
利用者の社会的信用に問題がある場合には、審査に通らない場合があります。例えば、身分証明が不確かであったり、過去に大きな過失をおかしていたりする場合です。また、横柄な態度や言葉遣い、遵法意識の低さなど、個人的な人柄からも、ビジネスの取引相手として信頼できるかどうかが判断されます。
不良債権ではないか
ファクタリング会社が買い取りをするのは、正常な売掛債権のみです。正常ではない債権とは不良債権のことで、具体的には支払期日を過ぎている債権、回収が不可能な債権を指します。また、売掛債権ではない債権の例は、給料債権です。事業者ではない、個人の賃金債権を買い取ってもらい現金化するという仕組みですが、これは社会問題にもなった給与ファクタリングです。給与ファクタリングはファクタリングではなく、給料を担保にして消費者金融から借金をする構造であり、金融庁も注意喚起をしています。まともなファクタリング会社は給料債権は買い取りませんので、審査には落ちてしまいます。
実態のある取引か
ファクタリング会社が買い取るのは、実態として取引のある売掛金です。取引が実在しない架空の請求書を発行して、その売掛金をファクタリング会社に買い取らせようとすれば、詐欺罪に問われる可能性もあります。当然、ファクタリングの審査でも取引の実態の有無については厳格に審査されます。

ファクタリングを断られてしまう原因
売掛先の信用力が低い
売掛先の経営状況が悪い
売掛先が個人事業主
必要書類を準備できない
取引する債権が継続して発生するものではない
二重譲渡の疑いがある売掛金
不良債権となっている売掛金
売掛先の信用力が低い
信用力とは、支払い能力があるかどうか、ということです。売掛先が上場企業や公的機関である場合、売掛金が支払われないというリスクはほとんどありません。しかし、過去に売掛金の滞納があった企業や取引が初めての企業の場合、売掛金を回収できないリスクが高く、信用力が低いと判断されます。
売掛先の経営状況が悪い
売掛先が税金を滞納していたり、借金を円滑に返済できていなかったりする場合、ファクタリングの利用を断られることがあります。
なぜなら、滞納の度合い次第では債権を含む資産を差し押さえられる可能性があり、そうなればファクタリング会社は売掛金を回収できなくなってしまうからです。
こうしたリスクから、売掛先の経営状態が悪化している場合は審査落ちとなる可能性が高いといえます。
売掛先が個人事業主
個人事業主は、法人に比べて信用力が落ちる傾向があります。
一般的に個人事業主は法人に比べて事業規模が小さいため、売掛金の未回収リスクが高まるからです。
この背景から、売掛先が個人事業主というだけでファクタリングの利用を断られてしまうこともあります。
必要書類を準備できない
ファクタリングを申し込む際や契約の際には、求められた書類をそろえる必要があります。準備にあまりにも時間がかかるようでは、書類の信ぴょう性を疑われる場合もあります。少しでも疑わしい点があれば、審査に通ることは難しいでしょう。必要書類はできるだけ迅速に揃えて提出しなければなりません。
取引する債権が継続して発生するものではない
ファクタリングで売買しようとする債権が一過性のもので今後継続して取引していく売掛先ではない場合、または新規に取引する売掛先の場合、実績がないためファクタリング会社でもリスクが予想しづらく、審査では不利になります。反対に、安定した取引を長期間継続している売掛先は、実績があり信用力が高いと判断されます。
二重譲渡の疑いがある売掛金
すでにファクタリングで売却した売掛金を、ほかのファクタリング会社に売却することを二重譲渡といい、これは犯罪行為にあたります。
そのため、ファクタリングの審査において少しでも二重譲渡の疑いがある場合は審査落ちとなり、利用を断られてしまいます。
不良債権となっている売掛金
不良債権とは、財産的価値のない債権のことです。既に回収できないことがわかっている売掛金などは、ファクタリング会社にとって買い取っても損をするだけなので、調査の段階で判明した場合には審査を通ることはありません。
ファクタリングを通過するためのポイント
経営状態が安定した売掛先を選ぶ
取引の年数が長い売掛先を選ぶ
回収サイトの短い売掛債権を選ぶ
3者間ファクタリングを検討する
経営状態が安定した売掛先を選ぶ
ファクタリング会社は、倒産のリスクが低い経営基盤が安定している売掛先を信用力が高いと判断する傾向があります。
そのため、経営状況が安定している売掛先の売掛金でファクタリングに申し込むと審査に通りやすくなります。
取引の年数が長い売掛先を選ぶ
ファクタリング会社は、利用者と売掛先の取引の継続性も審査で確認しています。
取引の年数が長いほど経営状況が安定していることの証明になります。
継続性の高い売掛先の売掛金を選ぶことで、ファクタリングの審査を通過しやすくなるでしょう。
回収サイトの短い売掛債権を選ぶ
ファクタリング審査に通過する確率を上げるために、回収サイトの短い売掛債権を選びましょう。売掛金が入金されるまでの期間が長い場合、回収までに売掛先が資金繰り悪化で倒産し、未回収となる恐れもあります。
そのため入金までの回収サイトが短い売掛金のほうが、ファクタリング会社の貸し倒れリスクを低減できるため審査でも有利です。
3者間ファクタリングを検討する
ファクタリング審査に通過する確率を上げるために、3社間ファクタリングによる現金化を選びましょう。
3社間ファクタリングの審査は、売掛先からファクタリング会社に対し、売掛金の支払いが直接行われます。
利用者を介さず売掛金を回収できるため、未回収リスクは低い取引といえます。
また、請求が本当に発生しているのか、売掛先に直接確認を取ることもできるなど、ファクタリング会社にとってリスクを抑えられる契約であれば、審査でも有利になると考えられます。
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