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ファクタリング契約までの流れは?契約書で確認すべきポイントを解説

  • 執筆者の写真: FA
    FA
  • 7月17日
  • 読了時間: 12分

ファクタリング契約までの流れは?



目次








ファクタリング契約までの流れは?契約書で確認すべきポイントを解説


ファクタリング



そもそもファクタリングとは?契約前に知っておきたい基本事項

ファクタリングの仕組み

ファクタリングとは、企業が保有する「売掛金(請求済み未回収の代金)」をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する資金調達方法です。金融機関の融資とは異なり、売掛先(取引先)の信用力を重視するため、審査が比較的スピーディで、担保や保証人が不要な点が特徴です。

特に、急な資金需要や黒字倒産を防ぎたい場合に有効な手段とされており、近年ではオンライン完結型のファクタリングサービスも増えています。






2社間と3社間の違いと契約書への影響

ファクタリングには主に「2社間」と「3社間」の2つの契約方式があります。


  • 2社間ファクタリング:利用者(債権者)とファクタリング会社の間で契約を結び、売掛先には債権譲渡の通知を行わない方式です。スピード重視ですが、回収リスクを利用者が負うことが多く、契約書に「償還義務(ノンリコースか否か)」が記載されているか要注意です。

  • 3社間ファクタリング:利用者・ファクタリング会社・売掛先の三者間で契約を結びます。売掛先に債権譲渡が通知されるため、信頼性が高く、償還義務のリスクが低くなる傾向にあります。


契約書の内容は、この契約方式の違いによって大きく変わるため、利用前にしっかり確認しておきましょう。






契約



ファクタリング契約までの全体的な流れ

ファクタリング契約は、申し込みから資金入金までの流れを理解しておくことで、スムーズに進めることができます。以下は一般的なファクタリング契約のステップです。




1.情報収集と業者選定

まずは、複数のファクタリング会社のサービス内容や手数料、契約方式を比較しましょう。実績、信頼性、対応スピード、手数料体系の明確さなどが選定の基準になります。


💡ポイント:金融庁登録業者かどうか、口コミ・評判のチェックも忘れずに。






2.申込と初期書類提出

希望するファクタリング会社を選んだら、専用フォームや電話で申し込みを行い、必要書類を提出します。一般的に求められる書類は以下のとおりです:


  • 売掛先への請求書、納品書

  • 直近の入出金が分かる通帳コピー

  • 商業登記簿謄本(法人の場合)

  • 代表者の身分証明書

  • 売掛先との基本契約書や取引明細


業者によっては、書類が少ない「スピード重視型」のサービスも存在します。






3.審査とヒアリング

提出書類に基づき、ファクタリング会社が「売掛先の信用力」や「利用者の取引実態」を中心に審査を行います。電話やオンラインでのヒアリングが実施され、以下のような内容が確認されます。


  • 売掛金の発生状況と入金見込み

  • 売掛先との取引履歴と継続性

  • 資金の使い道と今後の返済計画(必要に応じて)


審査スピードは最短即日〜数営業日が目安です。






4.契約書の提示と確認

審査を通過すると、ファクタリング会社から「契約書」および「重要事項説明書」が提示されます。この契約書には、取引条件や双方の責任範囲、違約時の対応などが明記されており、資金調達の安全性を左右する非常に重要な書類です。

最近では、郵送による紙の契約書に加え、「電子契約(クラウドサイン・DocuSign など)」に対応するファクタリング会社も増えています。電子契約であっても法的効力は問題なく、印紙代の節約やスピーディな手続きが可能です。



💡契約書確認時にチェックすべきポイント


契約書を受け取ったら、署名・押印をする前に以下の項目を必ず確認しましょう。


  • 手数料の金額・算出方法:固定か変動か、何に対して何%か。

  • 債権譲渡の対象範囲:特定の請求書か、将来債権まで含むのか。

  • 入金条件とスケジュール:何営業日以内に振込があるか。

  • 償還請求権(ノンリコースかリコースか):売掛先が倒産した場合の返済義務の有無。

  • 契約期間と更新条件:短期契約か、継続契約か、自動更新か。

  • 遅延損害金や違約金の条件:発生条件や金利が記載されているか。

  • 契約解除条項:キャンセルや中途解約が可能かどうか。


特に「償還義務の有無」は、トラブルに直結する重大なポイントです。「ノンリコース契約」と記載があるかを必ず確認してください。万が一、売掛先の支払いが滞った場合でも、ノンリコースなら返済義務が生じません。



💡不明点は必ず質問し、書面やメールで記録を残す


契約書の内容で理解できない部分や不明点があれば、必ずファクタリング会社に確認し、できればメールなど文面でのやり取りを残しておきましょう。後から「言った・言わない」のトラブルになるリスクを防げます。

また、専門用語や法律的な表現が多くて不安な場合は、弁護士や税理士に一度見てもらうのも安心です。高額な債権を扱う場合や、初めてファクタリングを利用する場合には特におすすめです。






5.債権譲渡通知(必要な場合)

ファクタリング契約が締結された後、契約方式によっては「債権譲渡通知」が必要になります。これは、売掛債権の所有権がファクタリング会社に移ったことを売掛先に正式に通知するプロセスです。


3社間ファクタリングの場合


3社間ファクタリングでは、売掛先(取引先)を含めた契約となるため、債権譲渡通知は必須です。通知は契約締結後すぐに、ファクタリング会社または利用者から売掛先へ送付されます。通知の文面には以下のような内容が含まれます:


  • 売掛金がファクタリング会社に譲渡された旨

  • 今後の入金先がファクタリング会社であること

  • 債権譲渡日・契約番号・請求対象金額の明記


通知は郵送または内容証明郵便で行われることが一般的で、売掛先の了承が取れた時点で、取引は完了に近づきます。



2社間ファクタリングの場合


2社間ファクタリングでは、売掛先に通知しないのが原則です。ただし、万が一のトラブル時(入金遅延や売掛先の倒産など)に備え、ファクタリング会社が「債権譲渡登記」や「売掛先への事前同意書」を求めることがあります。

また、将来的に売掛先へ通知する可能性を契約書に明記しているケースもあるため、契約時に「通知義務の条件」がどうなっているかを確認しておきましょう。






6.入金と今後の対応

契約締結および(必要に応じて)債権譲渡通知が完了すると、いよいよ資金の入金が行われます。ファクタリング契約の締結から入金までは、スムーズな場合で最短即日、通常は1~3営業日以内が目安です。



💡入金の仕組みと控除される項目


ファクタリング会社は、契約時に提示した手数料や諸費用を差し引いた上で、残りの資金を指定口座に入金します。例えば、売掛金100万円に対して手数料が10%であれば、90万円が入金される形です。

差し引かれる主な費用:


  • ファクタリング手数料

  • 登記・通知に関わる手数料(必要な場合)

  • その他の事務手数料(業者によって異なる)



⚠️今後の流れと注意点


入金後、売掛先からの支払いが発生した際は、以下のようなフローになります:


  • 3社間ファクタリング:売掛先から直接ファクタリング会社へ入金される

  • 2社間ファクタリング:一旦利用者が入金を受け、ファクタリング会社へ再送金する(契約内容により異なる)


また、複数回に分けてファクタリングを利用する場合は、毎回新たな契約が必要な場合と、包括契約による自動更新方式の業者があります。更新条件や継続時の手数料体系も契約書で確認しておくと安心です。


💡ポイント:一度ファクタリングを利用した後は、「継続利用の条件」「再審査の有無」「手数料の変動」なども確認しておくと、今後の資金調達がより円滑になります。






ポイント



ファクタリング契約書で絶対に確認すべき7つのポイント

ファクタリング契約書は、資金調達の安全性を左右する非常に重要な書類です。署名・押印する前に、必ず以下の7項目を確認しておきましょう。どれか1つでも不明確な点がある場合は、そのまま契約を進めるのはリスクです。




1. 手数料の金額・算出方法

契約書には、手数料の「料率」だけでなく、どのタイミングで、どの金額に対して計算されるかが記載されています。例:売掛金の額面に対して何%か、入金までの期間に応じて変動するのかなど。


⚠️注意:手数料が「月率」や「日率」で記載されている場合は、長期になると実質手数料が高くなる可能性があります。






2. 入金スケジュールと支払い条件

「いつ」「誰に」入金されるのかが明確になっているかを確認します。二社間ファクタリングでは、売掛先からの入金を一度自社で受け取り、そこからファクタリング会社に支払う必要があるケースもあります。


💡契約書内の「支払期日」や「振込方法」にも注目を。






3. 債権譲渡の対象と通知義務

契約書には「どの売掛債権が譲渡されるのか」が具体的に記載されています。請求書ごとの個別指定か、将来発生する継続債権も対象かで大きく異なります。

通知義務についても、「売掛先へ必ず通知するのか/不要なのか」が書かれているので要確認です。






4. 償還請求権(ノンリコースかリコースか)

「ノンリコース契約」=売掛先が倒産しても、利用者に返済義務が発生しない「リコース契約」=売掛先が支払不能になった場合、利用者が立替払いをする必要あり


💡ノンリコース契約の場合でも、細かい例外条件が設定されている場合があるので、文言をしっかり確認しましょう。






5. 遅延損害金や違約金の発生条件

支払いが遅れた場合の「遅延損害金の利率」や「違約時の賠償条件」が契約書に含まれているかを確認します。

一般的には年14.6%程度が上限ですが、それ以上の利率が設定されている場合は注意が必要です。






6. 契約期間と自動更新の有無

「契約期間:1ヶ月」「更新:自動更新あり」などの表記がある場合、気づかないうちに契約が継続されるリスクがあります。


✅ 解約希望時はいつまでに通知すべきか、通知方法(書面、メールなど)も確認しましょう。






7. 解約・中途キャンセル条項

「契約締結後のキャンセルは可能か」「キャンセル時に違約金は発生するか」なども、事前に明記されているかをチェック。特に初めて利用する方にとって、途中での条件変更や解約ルールを把握しておくことは安心材料になります。






チェックリスト



トラブルを避けるための契約前チェックリスト

ファクタリングはスピーディで便利な資金調達手段ですが、契約内容の不理解や業者選定のミスがトラブルの原因になるケースもあります。以下のチェックリストを活用して、契約前に必ず確認しておきましょう。


✅ 契約前チェックリスト(印刷・保存用にも便利)

チェック項目

内容

□ ファクタリング業者の信頼性を確認したか?

金融庁登録の有無、口コミ、実績など

□ 手数料の計算方法が明確にされているか?

%だけでなく、何に対して・どの期間に発生するかを確認

□ 契約方式(二社間・三社間)を理解しているか?

売掛先への通知の有無やリスクの違い

□ 契約書を全文確認したか?

特に手数料、償還義務、解除条件など

□ 不明点を業者に質問し、記録を残しているか?

口頭だけでなくメールなどで保存しておくと安心

□ 償還請求の有無(ノンリコースか)を確認したか?

売掛先の倒産時に責任が発生しないか

□ 解約・キャンセル条件を把握しているか?

いつまでに・どうすれば解約できるか明記されているか

□ 納得してから署名・捺印するか?

焦って即日契約しない(比較検討の余地)







よくある質問



ファクタリング契約に関するよくある質問

Q1. ファクタリング契約はすべての企業が利用できますか?

A. 多くのファクタリング会社は法人(中小企業)を対象としていますが、個人事業主でも利用できる業者も増えています。ただし、売掛先が法人であることが前提条件になる場合がほとんどです。






Q2. 契約書に印鑑は必要ですか?電子契約でも問題ない?

A. 現在、多くのファクタリング会社が電子契約に対応しています。電子署名でも法的効力は問題なく、印紙税も不要になるため、業者側も推奨しています。






Q3. 契約後にキャンセルや解約は可能ですか?

A. 契約書にキャンセルや中途解約に関する条項がある場合は、それに従って手続き可能です。ただし、資金がすでに入金されている場合は、解約できない、または違約金が発生する可能性があるため、事前確認が重要です。






Q4. 債権譲渡の通知は必ず必要ですか?

A. 三社間ファクタリングでは必須です。一方、二社間ファクタリングでは通知不要が原則ですが、契約書上で将来的な通知に同意しているケースもあるため、契約時の確認が必要です。






Q5. ノンリコース契約と書かれていれば100%安心ですか?

A. 原則としてノンリコース契約であれば、売掛先の倒産時に返済義務は発生しません。ただし、例外規定が設けられている場合もあるため、「例外条件の有無」まで契約書でチェックすることが重要です。






Q6. 知らないファクタリング業者でも契約して大丈夫?

A. 会社の実績や口コミ、金融庁への登録状況などを調べたうえで契約しましょう。中には高額な手数料を請求する悪質業者も存在するため、「審査が甘すぎる」「説明が不透明」な場合は注意が必要です。



まとめ|契約の流れと契約書確認でトラブルを防ごう

ファクタリング契約は、迅速に資金調達できる便利な仕組みですが、契約内容を十分に理解せずに進めてしまうと、後にトラブルとなるリスクがあります。

この記事で解説したように、

  • ファクタリングの仕組みと種類(二社間・三社間)を理解し

  • 契約までのステップ(申込〜審査〜契約締結)を把握し

  • 契約書で確認すべきポイントを見落とさずに確認する

ことで、安全かつ効果的にファクタリングを活用できます。


特に「手数料の仕組み」「償還義務の有無」「債権譲渡の通知要否」など、後から変更が難しい重要事項は必ず契約前に確認しましょう。

最後に、信頼できるファクタリング会社を選び、納得のうえで契約を進めることが、資金繰り改善の第一歩となります。スピードだけにとらわれず、内容と安全性を重視して、賢くファクタリングを利用しましょう。

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