【創業融資】日本政策金融公庫で融資を受けるための手順と注意点を解説
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- 6月30日
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目次
【創業融資】日本政策金融公庫で融資を受けるための手順と注意点を解説

日本政策金融公庫の創業融資とは
日本政策金融公庫は、国が100%出資する政策金融機関で、民間金融機関では融資が難しい創業初期の企業や個人事業主にも積極的に融資を行っています。
主な特徴
無担保・無保証でも借りられる制度あり
最大で7,200万円(通常は300〜1,000万円程度)まで借入可能
返済期間は5年〜10年(用途による)
日本政策金融公庫の創業融資を受ける手順【5ステップ】
1.創業計画書の作成
融資の審査では「創業計画書」が最重要資料。売上見込み、利益、ターゲット層、強み、競合分析などを具体的に記載しましょう。
2.必要書類の準備
創業計画書
資格証明書(必要に応じて)
身分証明書・住民票
確定申告書や源泉徴収票(過去に事業歴がある場合)
預金通帳のコピー(自己資金の証明)
3.面談の予約と申込書提出
最寄りの支店で面談予約をし、申請書類一式を提出します。面談日までに準備万全に。
4.審査(1〜3週間)
提出書類と面談の内容を元に、融資の可否が決まります。早ければ1週間、通常は2〜3週間で結果が通知されます。
5.融資決定後の手続き・着金
融資決定後、契約書類のやり取りと口座振込が行われます。

創業融資の審査に通るためのポイント
自己資金はどれくらい必要?
融資希望額の30%以上が目安とされます。例えば300万円借りたいなら100万円は自己資金として用意しておきたいところ。
赤字予定でも大丈夫?
1年目の赤字は許容範囲。ただし「2年目から黒字化できる根拠」をしっかり示す必要があります。
面談で聞かれることは?
なぜこの事業を始めようと思ったのか
どんな実績があるか
リスクへの対応策は?
自己資金の出所は?

よくある失敗例と注意点|落ちる人に共通する3つのパターンとは
1.自己資金が証明できない【通帳の履歴がカギ】
自己資金は、「どれだけ貯めたか」よりも「どのように準備したか」が問われます。
❌ NG例
現金を自宅で保管していた(=証明できない)
親族から急にまとまった金額をもらった
一度に大金を入金した
✅ 対策
少額でも定期的に積み立てた記録を通帳に残す
入金の出どころ(給与・報酬・売上)を明記
家族からの資金提供は「贈与契約書」で証明できるようにする
2.創業計画書が曖昧【売上の根拠が弱いと即アウト】
「やってみないとわからない」では通用しません。審査担当者は数字の裏付けや、競合との比較、マーケットの現実性を重視します。
❌ NG例
売上根拠が「なんとなく月50万円くらい」
他社との差別化ができていない
販路や営業方法が明確でない
✅ 対策
根拠のある数字(市場規模×成約率)を提示
類似業種の相場や平均売上を調査
SNS・チラシ・知人紹介など販路を具体的に記載
3.面談でうまく話せない【準備不足で印象ダウン】
融資面談では、担当者に「この人なら大丈夫だ」と思わせる信頼感が必要です。内容が良くても、伝え方次第で印象は大きく変わります。
❌ NG例
話がまとまっておらず、自信がなさそう
書類の内容と面談での説明にズレがある
よくある質問に答えられない
✅ 対策
創業理由・ビジネスの強み・想定売上を3分で話せるよう準備
よくある質問を事前に想定して回答を用意
笑顔とアイコンタクトで印象を良くする

体験談・成功事例【リアルな声】|日本政策金融公庫の創業融資に通った人の共通点とは
飲食店開業(40代男性)|過去の経験を数値でアピールして200万円の融資に成功
✅ 融資概要
希望金額:300万円
融資決定額:200万円
自己資金:90万円
融資までの期間:約3週間
📘 ポイント
この男性は、飲食業界で15年以上のキャリアがあり、独立前には料理長として店舗経営にも携わっていました。創業計画書では、過去の売上実績やスタッフ管理の経験、利益率の改善施策を具体的な数値で記載。
さらに、開業予定の立地周辺の競合調査やターゲット層のニーズを踏まえたマーケティング戦略も盛り込み、「実現性のあるビジネス」として高く評価されました。
フリーランスデザイナー(30代女性)|自己資金50万円でも綿密な準備で100万円の融資に成功
✅ 融資概要
希望金額:100万円
融資決定額:100万円(満額)
自己資金:50万円
創業形態:SOHO(自宅開業)
💡 ポイント
この女性は、Web制作会社で7年間勤務したのちに独立。融資申請時点では、開業準備中でしたが、実績として制作したポートフォリオサイトや過去の取引実績を創業計画書に添付。
また、公庫の創業相談を3回利用し、計画書のブラッシュアップや面談対策のアドバイスを受けたことが高評価に繋がりました。
さらに、開業後すぐに2社と契約予定という具体的な売上見込みを提示できたことも、信用につながった要因です。
成功事例に共通する3つのポイント
ポイント | 内容 | 補足 |
実績の提示 | 過去の職歴・成果を「数値」で見せる | 売上・利益・実務経験年数など |
計画の具体性 | 売上見込み・販路・ターゲットを明確に | 曖昧な表現はNG |
事前準備 | 創業相談・計画書の添削・面談練習 | 対策=安心感に |
💡補足:創業前でも成功している人は多い!
「まだ事業が始まっていないから無理かも…」と不安な方も多いですが、準備と計画がしっかりしていれば、創業前でも融資は十分可能です。
むしろ、開業後よりも開業前のほうがチャンスが多いとも言われています。

よくある質問(FAQ)|日本政策金融公庫 創業融資の疑問をスッキリ解決
Q1:創業前でも日本政策金融公庫の融資は申し込めますか?
A:はい、可能です。開業予定日の「3か月前」から申請できます。
実際には「開業届を提出する前」でも、日本政策金融公庫の創業融資を申し込むことができます。ただし、次のような資料を提出する必要があります。
🔸 提出が必要になるケース
開業準備中の店舗の契約書や見積書
購入予定の設備リスト
自己資金の通帳コピー
創業計画書(具体的に!)
開業が決まっていない状態では審査が通りにくいため、最低限の準備を進めておくことが重要です。
Q2:自己資金が少なくても創業融資に通ることはありますか?
A:可能性はありますが、「証明できる資金」と「計画の妥当性」が重要です。
自己資金が融資希望額の30%以下でも審査に通ることはあります。ただし次のような条件を満たす必要があります。
✅ 審査に通るための工夫
通帳に積立履歴がある(現金保管はNG)
親族からの援助の場合は「贈与契約書」がある
資金の使い道が明確で、計画が具体的である
💡たとえば、100万円の融資を希望して自己資金が30万円未満でも、「売上の見込み根拠」や「初期費用の内訳」が緻密であれば通過実績があります。
Q3:一度融資審査に落ちたら、再申請できますか?
A:はい、できます。再チャレンジは可能ですし、成功事例も多数あります。
ただし、「落ちた理由を把握し、どこを改善するか」が重要です。
🔁 再申請でよくある改善ポイント
創業計画書をもっと具体的に
自己資金を少しでも増やす
事前に公庫の創業相談窓口を活用する
実績・準備内容・販路を明確に説明できるようにする
再申請時には、前回の資料と内容が変わっていないと「改善が見られない」と判断されるため、計画や準備内容の見直しは必須です。
まとめ|創業融資を成功させるには「準備」が9割!
日本政策金融公庫の創業融資は、創業者にとって心強い制度です。ただし、書類の完成度と面談対策が成功のカギ。焦らず、事前準備を徹底することが最も重要です。
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