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法人が赤字決算でもビジネスローンは借りられるのか?

  • 執筆者の写真: FA
    FA
  • 7月20日
  • 読了時間: 10分
法人が赤字決算でもビジネスローンは借りられるのか?




目次










法人が赤字決算でもビジネスローンは借りられるのか?



赤字



赤字決算でもビジネスローンは借りられる?

そもそも赤字決算とは何か?

赤字決算とは、企業の収益(売上)よりも費用や支出が上回っている状態で期末を迎えた決算のことを指します。これは経営状況が一時的に厳しいことを意味し、多くの場合、税引後利益がマイナスになります。

中小企業では、新規事業への投資や外部環境の変化によって、一時的に赤字に転じることも少なくありません。ただし、赤字=倒産というわけではなく、資金繰りに余裕がある企業も存在します。このような状況下で、融資やビジネスローンを活用した資金調達が検討されることがあります。





金融機関は赤字をどう判断するのか?

金融機関やビジネスローンの貸し手は、赤字決算を「融資リスクが高い」と判断する傾向があります。特に銀行などの伝統的な金融機関では、決算書を重視し、赤字=信用力の低下とみなされやすいのが実情です。

しかしながら、赤字決算でも「継続的に返済できる能力」があるかどうかを見極めて融資するケースもあります。たとえば、以下のようなポイントが評価されることがあります。


  • 赤字の原因が明確かつ一時的であるか

  • 営業キャッシュフローがプラスであるか

  • 借入後の資金使途と返済計画が合理的か

  • 過去の返済実績が良好か


特にノンバンク系ビジネスローンでは、こうした柔軟な審査を行う傾向があります。赤字決算だからといって、すぐに融資をあきらめる必要はありません。






ビジネスローンの審査で見られるポイント

ビジネスローンを利用する際、融資の可否を決める「審査」は避けて通れません。特に赤字決算の法人に対しては、金融機関も慎重に審査を行います。ここでは、審査時に重視される代表的なポイントを解説します。




キャッシュフローや資金繰りの実態

赤字であっても、「手元資金が潤沢で、毎月の支払いに支障がない」状態であれば、返済能力はあると判断されることがあります。審査では、営業キャッシュフロー(本業による資金の流れ)や資金繰り表の内容が確認され、月々の返済に対応できる余力があるかが見られます。

特にノンバンクやオンライン系ローンでは、決算書よりも日々の売上入金状況や銀行口座の動きなど、リアルタイムなキャッシュの動向を重視するケースも増えています。






代表者個人の信用情報

中小企業や設立間もない法人では、法人自体の信用力が不足している場合があるため、代表者の個人信用情報が重要視されることがあります。特に以下のような点がチェックされます。


  • 過去のローンやクレジットの返済履歴

  • 消費者金融・リボ払い・延滞などの履歴

  • 保証人歴や債務整理歴の有無


赤字決算の法人であっても、代表者の信用スコアが良好であれば、審査通過の可能性は高まります






担保や保証の有無

ビジネスローンには「無担保型」と「担保型」がありますが、赤字決算の企業が無担保で借りるのはハードルが高くなります。そのため、担保提供や保証人の有無が審査通過のカギとなることがあります。


  • 不動産や売掛債権、在庫などの資産価値があるか

  • 保証人となれる信用力のある人物がいるか


これらがあれば、金融機関もリスクを軽減できるため、融資に前向きになるケースがあります。






融資



赤字決算の法人が融資を受けるための対策

赤字決算の法人がビジネスローンを借りるためには、ただ申し込むだけでは不十分です。金融機関の不安を払拭し、返済能力を示すための「戦略的な準備」が必要です。ここでは、審査通過の可能性を高めるための具体的な対策を紹介します。




決算書だけでなく補足資料を準備する

赤字であること自体は避けられない事実でも、それを補うだけの説明責任と裏付け資料を提出できれば、審査側の理解を得られる可能性があります。以下のような補足資料が効果的です。


  • 資金繰り表:月別の入出金予定を明確にした資料

  • 事業計画書:赤字の原因と改善策、今後の収益見込みを記載

  • 直近の売上推移:赤字脱却に向けた回復傾向を示すデータ


「なぜ赤字なのか」「どうやって立て直すのか」を論理的に説明することが、審査通過への一歩です。






資金使途を明確にする

借入申請時に「何に使うか」が不明確だと、金融機関は貸付リスクを懸念します。特に赤字企業の場合、「運転資金」などのあいまいな理由では審査が通りにくくなる傾向があります。


例えば、


  • 売掛金入金までのつなぎ資金

  • 設備投資による売上拡大のための資金

  • 外注費や仕入れ資金の支払いに限定した短期借入


といったように、具体的かつ合理的な使途を明示することが重要です。






リスケ履歴がある場合の対応

過去にリスケ(返済条件の変更)や返済遅延がある法人は、審査上マイナス評価を受けることが多くなります。ただし、すべてがNGになるわけではありません。


  • 現在の支払い状況が安定していること

  • リスケ理由が一時的なものであること

  • 今後の資金計画に無理がないこと


これらを丁寧に説明することで、信用回復の余地はあります。むしろ、正直に情報を開示し、改善の努力を見せることが審査通過への近道です。






赤字決算でも借りやすいビジネスローンの種類

赤字決算でも借入が可能なビジネスローンは存在します。特に「審査の柔軟性が高いローン」や「担保・保証を活用できるローン」を選ぶことで、資金調達の可能性を広げることができます。ここでは、赤字企業でも比較的借りやすい3つのローンの種類をご紹介します。




ノンバンク系ビジネスローン

ノンバンクとは、銀行以外の貸金業者(消費者金融、リース会社、ビジネスローン専門会社など)のことを指します。ノンバンク系のビジネスローンは、銀行に比べて審査基準が柔軟で、赤字決算でも審査に通る可能性が高いのが特徴です。


主な特徴:


  • 審査スピードが早く、即日融資も可能

  • 担保・保証人が不要なケースが多い

  • 決算書よりも「現時点の返済能力」を重視


ただし、銀行融資に比べて金利は高めに設定される点には注意が必要です。






制度融資(信用保証協会付きなど)

各都道府県や自治体が提供する「制度融資」は、信用保証協会が保証を行い、銀行が融資を実行する仕組みです。中小企業支援を目的としているため、一定の条件を満たせば赤字決算でも利用可能です。


ポイント:


  • 保証協会の審査に通れば銀行よりも借りやすい

  • 融資利率が低く、長期返済が可能

  • 資金使途が明確であれば前向きに審査されやすい


赤字企業でも、「地域経済に貢献している」「再建計画が明確」といった実態があれば、採択されるケースがあります。






売掛債権担保ローンやABL(動産担保融資)

売掛金や在庫・機械設備といった「事業資産」を担保にして資金を借りるのが、ABL(Asset Based Lending)です。決算内容よりも担保となる資産の価値や流動性が評価の基準となるため、赤字企業でも活用しやすい資金調達手段の一つです。


主なメリット:


  • 決算書の赤字に左右されにくい

  • 資産を有効活用できる

  • ファクタリングと併用されることも多い


ただし、担保の査定や管理にコストがかかることもあるため、導入時には事前の検討が必要です。






資金調達



ビジネスローンが難しい場合の代替手段

赤字決算でビジネスローンの審査に通らなかった場合でも、資金調達の選択肢は他にもあります。ここでは、ローン以外の手段で資金を確保できる代替策をご紹介します。状況に応じて柔軟に活用することで、経営を立て直す足がかりになるでしょう。




ファクタリング|売掛金を早期資金化

ファクタリングは、売掛金をファクタリング会社に売却して早期に現金化する手法です。借入とは異なり、貸借対照表上の負債を増やさずに資金を調達できます。


赤字決算でも利用しやすい理由:


  • 決算内容ではなく「売掛先の信用力」が審査対象

  • 負債ではないため、与信に影響を与えにくい

  • 最短即日で資金化可能


運転資金や資金ショート対策に非常に有効な手段です。








売掛保証|取引先倒産による資金リスクを回避

売掛保証とは、万が一売掛先が倒産して売掛金が回収できなくなった場合に、保証会社がその代金を補填してくれる仕組みです。赤字企業であっても、リスク管理を重視する姿勢が評価されることがあります。


メリット:


  • 新規取引先との契約リスクを軽減

  • 与信管理の手間を削減

  • 売上拡大に向けた営業展開がしやすくなる


売掛債権を活用した資金調達と組み合わせることで、より安心感を得られます。






資金繰り改善のためのコンサルティング活用

赤字が継続している場合は、融資や資金調達よりも、そもそもの経営構造の見直しが必要なこともあります。外部の専門家による経営コンサルや税理士、認定支援機関に相談することで、資金繰りや経営改善の具体的なアドバイスを受けられます。


主な支援内容:


  • 経営改善計画の策定支援

  • 補助金・助成金の活用提案

  • 公的融資制度への申し込みサポート


外部の目を入れることで、金融機関に対する信用力も高まり、再チャレンジでの融資成功率も向上します。






よくある質問



法人の赤字決算とビジネスローンに関するよくある質問

【Q1】赤字決算でも本当にビジネスローンを借りられるのですか?

A.はい、可能です。特にノンバンク系ローンや信用保証付き融資、ファクタリングのように「赤字でも柔軟に対応する商品」は存在します。決算書の内容だけでなく、資金使途や返済計画、キャッシュフローが審査のカギを握ります。






【Q2】赤字決算の法人が審査に通りやすくなるために必要な書類は?

A.補足資料の準備が重要です。以下のような資料を用意することで、審査通過率が上がります。


  • 資金繰り表(入出金予定の明細)

  • 事業計画書(赤字の原因と今後の改善策)

  • 売上推移表や回復傾向を示すデータ


説得力のある資料で、金融機関の不安を軽減することができます。






【Q3】決算が赤字でも、日本政策金融公庫の融資は受けられますか?

A.受けられる可能性はあります。日本政策金融公庫では、**「経営改善計画書」や「資金使途の明確化」**などの条件を整えることで、赤字企業でも融資が通る事例があります。公的支援制度の利用も検討すると良いでしょう。






【Q4】ビジネスローンの審査に落ちた場合は、再申請できますか?

A.再申請は可能ですが、短期間での再チャレンジは避けましょう。落ちた理由を把握し、資料の精度向上や資金使途の明確化などの改善策を行ったうえで、1〜3ヶ月空けて再申請するのが望ましいです。また、別のローン会社や代替手段の検討も有効です。






【Q5】ファクタリングとビジネスローン、どちらが赤字法人に向いていますか?

A.状況によりますが、短期的な資金ニーズならファクタリングが有効です。ファクタリングは売掛金を資金化する方法で、借入ではないため赤字決算でも利用しやすい傾向があります。一方、まとまった金額を長期で返済したい場合はビジネスローンが適しています。



まとめ|赤字でも諦めず、適切な手段で資金調達を

赤字決算であっても、ビジネスローンをはじめとした資金調達の道は閉ざされているわけではありません。近年では、決算書だけに頼らない柔軟な審査を行う金融機関やノンバンク系ローンの選択肢も増えており、「返済可能性」や「今後の成長性」を重視する流れが広がっています。

重要なのは、資金調達の前に「なぜ赤字なのか」「どのように改善するか」を明確にし、必要な資料や根拠を整えることです。また、ビジネスローンだけにこだわらず、ファクタリングや売掛保証、公的融資制度など複数の選択肢を視野に入れることで、状況に応じた最適な資金調達が実現できます。

「赤字だから融資は無理だ」と決めつけず、**正しい知識と対策を持って行動すれば、資金調達は十分に可能です。**必要であれば、資金調達に強い専門家やコンサルに相談しながら、経営の立て直しと成長への一歩を踏み出しましょう。

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