社会保険料を滞納すると差し押さえられる?支払えないときの対処法も紹介
- FA
- 6月23日
- 読了時間: 9分

社会保険料を滞納し続けると、最終的に財産を差し押さえられる恐れがあります。
具体的に、どのような流れで差し押さえへと進んでいくのかを確認し、できるだけ早く対処することが大切です。ここの記事では、社会保険料を滞納し続けた場合に起こることや、社会保険料を支払えないときの対処法について詳しくご紹介します。
目次
02.社会保険料滞納による影響
社会保険料を滞納すると差し押さえられる?支払えないときの対処法も紹介

社会保険料を滞納したらどうなるのか?
社会保険料を滞納し続けた場合、次のような問題が起こります。
督促を受ける
社会保険料を1回でも滞納すると、督促を受けます。督促とは、社会保険料を速やかに支払うように要求されることを指します。滞納から約1ヶ月後に督促状と納付書が送られてきます。督促状に記載された納付期限までに滞納金を支払えば、特にペナルティはありません。ただし、何度も滞納すると電話で催促されたり自宅に訪問してきたりする恐れがあります。
延滞金が発生する
催促状が届き、電話がかかってきた場合でも、催促状に記載された期限までに支払えば延滞金は発生しません。しかし、この期限を超えてしまった場合は延滞金が発生します。
延滞金の割合は毎年日本年金機構が公開していますが、令和4年1月1日から令和4年12月31日については納付期限からの日数に応じて、納付期限から3カ月を経過するまでは年2.4%、3カ月を超えた後は年8.7%となっています。
延滞金の計算方法などの詳細は日本年金機構のホームページで確認することができます。
滞納処分を受ける
社保滞納によるペナルティとして、滞納処分を受けることが挙げられます。
督促状を送ったり催促したりしても、滞納者から何の連絡もなかったり支払いもされなかったりした場合には、次の流れで滞納処分が行われます。
財産の調査・捜査
まず滞納処分を行う上で、会社が所有している財産の調査や捜査が開始されます。
滞納した社会保険料を回収するためには、会社が所有する財産を差し押さえ、換金して保険料の支払いに充てることが必要となります。
そのため、どのくらいの財産を所有しているのか、聴取調査や取引金融機関に対する預金残高の確認、取引先企業全般に対する売掛債権の有無などが調査されます。
不動産などその他の財産全般に関しても同様となります。
財産の差し押さえ
財産調査の結果、差し押さえ可能な財産が見つかった場合は、社会保険料の延滞金を合わせた金額分の財産が差し押さえられます。現金や預貯金、不動産、売掛金などが換価されます。不動産が差し押さえ対象になると、生産基盤を失う可能性があり事業継続が困難になるでしょう。
預貯金が対象になった場合、取引金融機関に差し押さえの事実を知られるため、信用を失い今後の追加融資は難しくなってしまいます。
さらに売掛債権の差し押さえでは、取引先から信用を失うため、今後の取引や契約を打ち切られてしまい、やはり事業継続が困難になると考えられます。
罰則の対象になる
社保滞納によるペナルティとして、罰則の対象になることが挙げられます。
社会保険未加入であることが極めて悪質と判断された場合には、保険の種類により罰則の対象になってしまいます。
健康保険と厚生年金保険の場合には6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金、雇用保険では6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金の対象です。
※社会保険未加入であることを指摘されたときには、速やかに加入手続を行うようにしましょう。

社会保険料滞納による影響
社会保険料を支払わず滞納すると、会社には次のような影響が及ぶことになるでしょう。
社会的な信用を失う
社保滞納による会社への影響として、社会的な信用を失うことが挙げられます。
社会保険料を納めず財産を差し押さえられれば、取引金融機関や取引先に知られることになり、さらに従業員などにも広く伝わってしまいます。
多くの関係者に知られることで社会的な信用を失ってしまい、融資や取引の打ち切り、従業員の離職などその後の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
従業員の離職率が上がる
会社に財務調査が入ったり、差し押さえがされたりした場合、多くの従業員もその事実を知ることとなります。
自身の将来にも関わる保険料を未納するような会社にずっと務めたいという人はいませんし、会社への信頼は薄れていきます。そもそも社会保険料は労使折半で負担する費用であるため、従業員の保険サービス利用や将来受け取る年金にも関わる保険料を未納する企業を信頼し、働き続けたいとは思えません。
信頼が薄れれば、従業員の離職が進んでしまう可能性は否定できないでしょう。
銀行融資で資金調達できなくなる
社会保険料を滞納し、年金事務所などによる財務調査でも成果が得られずに捜査となった場合、金融機関にもその情報が伝わります。金融機関としては融資をしても将来的に利息と共に返済されることを見込んで融資をしています。
社会保険料を支払えないほど資金繰りが悪化しているような企業に対しては、今後融資をしないという場合も考えられます。
取引先との関係が悪化する
取引先からすれば、信用できる相手と長期的に良好な関係を築いていきたいと願うものです。社会的な義務である保険料納付を滞納する会社と引き続き取引をするという企業は少ないといえます。
また、場合によっては売掛金などの関係で直接的に取引先の財務に影響を及ぼすこともあるため、以前のように取引をしていくことは難しいこともあるでしょう。
商売自体できなくなる
社保滞納による会社への影響として、商売自体ができなくなることが挙げられます。
差し押さえの対象となる不動産や設備、預貯金などは事業継続において欠かすことのできないものです。
そのため必要な財産が差し押さえられてしまうと、商売自体できなくなる可能性があり、結果として廃業や倒産に追い込まれてしまいます。

社会保険料を支払えない時の対処法
社会保険料がどうしても支払えない場合も、催促を無視することは事態の悪化を招くだけです。具体的にどのようにすればよいのかを解説していきます。
早めに相談する
社会保険料が支払えず、滞納状態から抜け出すことができない場合には、年金事務所など行政に相談しましょう。
相談はできるだけ早くすることが必要であり、どれだけ遅くなったとしても督促状が届いた段階では連絡することが必要です。
納付の猶予を申請する
社会保険料の支払いが一時的に難しくなったときは、納付猶予を申請できます。申請の主な条件は下記のとおりです。
災害や盗難などの理由で財産的な被害を受けた
事業主または事業主との同一生計の親族が病気にかかったか負傷した(個人事業主のケース)
事業を停止または休業した
前年の利益の2分の1以上の赤字が生じた
上記に類する事象が起きた
※納付猶予の期間は、納付期限から1年以内(最長2年)です。また、猶予期間中に新たに発生する社会保険料は、全額または一部が免除されます。
分納する
納付の猶予が認められると、その分の社会保険料は分納という形で支払います。猶予期間中に毎月分割して支払いますが、注意点としては通常の社会保険料と両方支払う必要があるということです。
具体的な金額や支払日といった点については年金事務所とよく相談しましょう。
専門家に相談する
社会保険料の滞納問題を解決したいものの、事業継続自体難しく破産なども視野に入れるのであれば、弁護士など専門家に相談しましょう。
年金事務所などに相談しても解決に至らず、破産なども検討しなければならない状況においても、従業員の厚生年金の加入期間が短縮されることはありません。
社会保険料の支払いが大きな負担となり、さらに資金繰りも悪化してしまうことが予想されるのであれば、破産を検討することも1つの手段です。
法人破産では、法人の債務は免除されるため、社会保険料の支払い義務も消滅します。
ただし、法人格が持分会社で、その無限責任社員の方については法人破産後も社会保険料を負担する義務が残ります。
また、個人事業者の場合には自己破産しても社会保険料は免責されないため、法人と個人事業主では免除されるか否か異なる点にも注意しておきましょう。
ファクタリングを活用する
社会保険料の滞納問題を解決するには、支払いに充てる資金が必要であるため、ファクタリングを活用することも検討しましょう。
ファクタリングとは、中小企業に近年注目されている資金調達方法の1つですが、売掛債権をファクタリング会社に売って換金するサービスです。
商取引では売掛金が発生しますが、1ヶ月または2ヶ月先にならなければ入金されることはありません。
しかしファクタリングを利用すれば、最短即日現金化することができるため、滞納している社会保険料に充てることができます。
ファクタリングでも審査が行われますが、借入れの審査のように税金滞納や債務超過で通らなくなることはなく、売掛先の信用力が重視されます。
そのため社会保険料を納めることができず、滞納している場合でも利用できる方法であるため、ファクタリングを活用して資金調達し、滞納状態を解消することをおすすめします。
まとめ
社会保険料を滞納し続けると、督促を受けます。督促状に記載された期限までに納付しなかった場合は、財産調査と財産の差し押さえが行われる恐れがあります。社会保険料を支払えないときは、早めに関係各所へ相談しましょう。
問題解決するためにも、社会保険料の支払いに充てる資金を調達するのならファクタリングがおすすめです。
ファクタリングは、税金滞納や債務超過、赤字決算でも利用できる資金調達の方法であり、審査では売掛先の信用力が重視されます。
最短即日で資金調達できる方法であるため、滞納状態を早期に解消したいのであれば、ファクタリングの活用も検討してみましょう。
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