収益性分析とは?初心者にもわかる基礎ガイドと具体的な方法
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- 1月13日
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▼目次
収益性分析とは?初心者にもわかる基礎ガイドと具体的な方法

収益性分析とは
収益性分析とは、企業がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを数字で示す手法です。簡単に言えば、「会社の稼ぐ力」を数値化して見えるようにするものです。たとえば同じ1,000万円の売上を上げている会社が2社あったとして、一方は利益が100万円、もう一方は500万円だったとします。この場合、後者の方が利益率が高く、収益性が高いと言えます。このような違いを客観的に把握するために使われるのが収益性分析です。
ここで注意すべきなのは、「利益」といっても種類があることです。粗利益、営業利益、経常利益、当期純利益など、それぞれの利益の段階で意味が異なります。どの利益を使って分析するかによって、結果から読み取れる情報も変わってきます。
利益の段階と意味収益性分析では、利益の種類を正しく理解することが不可欠です。
粗利益(売上総利益):売上から仕入原価を引いた利益。商品の利幅を示す。
営業利益:粗利益から販売費や管理費を引いた利益。本業での稼ぐ力を反映。
経常利益:営業利益に営業外収益・費用を加味した利益。財務活動も含めた総合力。
当期純利益:税金や特別損益を反映した最終的な利益。株主や投資家が重視。
なぜ収益性分析が重要なのか?収益性分析が重要な理由は大きく3つあります。
経営状態の健康診断ができる利益率が低ければ、コストの使いすぎや販売価格の設定ミスなど、経営上の問題点が浮き彫りになります。逆に高ければ、現状のビジネスモデルが利益を生み出す構造になっていることがわかります。
投資家や金融機関からの評価が上がる収益性の高い会社は、融資や投資の審査で有利になります。特にROEや営業利益率は、外部の評価指標として重視されます。
将来の事業戦略を立てやすくなるどの事業が稼げているのか、改善が必要なのはどこかを明確にでき、経営資源の配分を効率的に行えます。
収益性分析の主な方法
収益性分析には大きく分けて2つの視点があります。ひとつは売上を基準にした利益率、もうひとつは資産や資本を基準にした収益性です。それぞれの指標を理解することが、効果的な分析の第一歩です。
売上を基準にした指標売上高総利益率(粗利益率)は、売上から原価を差し引いた粗利益の割合を表します。商品やサービスの「利幅」を知るための基本的な指標です。例えば、コーヒー1杯500円で売り、原価が150円なら粗利益は350円で、粗利益率は70%となります。粗利益率が高ければ高いほど、商品やサービスの付加価値が高いといえます。
売上高営業利益率は、営業活動によって得られた利益の割合を示します。広告費や人件費、家賃など本業に必要な費用を差し引いた後の利益です。営業活動の効率性を示す重要な指標です。
売上高経常利益率は、営業利益に加えて営業外収益や費用も含めた総合的な利益率です。金融収支も含めた会社全体の経営効率を把握できます。
売上高当期純利益率は、最終的に残る利益の割合を示します。税金や特別損益も反映されるため、株主や投資家は特にこの数値を重視します。
資産や資本を基準にした指標ROA(総資産利益率)は、会社が保有する資産を使ってどれだけ利益を生み出したかを示します。例えば、資産が5,000万円で当期純利益が500万円の場合、ROAは10%となります。資産を効率的に活用できているほど数値は高くなります。
ROE(自己資本利益率)は、株主から預かった自己資本を使ってどれだけ利益を生み出したかを示します。一般的に10〜20%が良好な目安とされます。ただし負債が多いと一時的にROEが高く見える場合もあるため、他の指標とあわせて評価する必要があります。

分析結果をどう活かすか?
収益性分析は、単に数値を出すだけでは意味がありません。大切なのは、それをどう活用するかです。まず、同業他社や業界平均と比較することが重要です。単独の数値では高いのか低いのか判断がつきにくいですが、比較対象があれば自社の強みや弱みが明確になります。さらに、過去の数値と比較して改善傾向にあるのか悪化しているのかを見極めることも必要です。
また、融資や投資の判断材料としても有効です。金融機関や投資家は収益性の高い企業を好みますので、数値が良ければ資金調達がスムーズになる可能性があります。
収益性を改善するための方法
収益性を高めるためには、売上を増やすか、コストを減らすかのどちらか、またはその両方を行う必要があります。価格戦略を見直し、高付加価値の商品やサービスを提供することで単価を上げる方法もあります。仕入れ先の見直しや業務効率化によるコスト削減も有効です。また、利益率の高い事業に経営資源を集中し、収益性の低い部門は縮小または撤退するという選択も必要です。

注意すべきポイント
収益性分析は重要ですが、収益性だけに偏ると危険です。例えば短期的に利益を上げるために安全性(財務の安定性)や成長性(将来の売上拡大)を犠牲にすると、長期的には会社の存続が危うくなります。収益性・安全性・成長性のバランスを取ることが健全経営には不可欠です。

よくある質問
Q1. 収益性分析はどのくらいの頻度で行えばいいですか?A. 四半期ごと、もしくは少なくとも年に1回は行うのがおすすめです。経営環境の変化が早い場合は、毎月実施する企業もあります。
Q2. 小規模事業でも収益性分析は必要ですか?A. 必要です。規模に関係なく、自社の利益構造を把握することは経営の安定に直結します。むしろ小規模ほど変化に対応しやすく、分析結果を活かしやすいです。
Q3. 収益性分析と安全性分析の違いは何ですか?A. 収益性分析は「どれだけ稼げているか」を見るのに対し、安全性分析は「会社の財務が安定しているか」を見る分析です。両方を併用するのが理想です。
Q4. 業種によって目安となる利益率は違いますか?A. はい。飲食業、小売業、製造業などで利益率の平均は大きく異なります。同業種の平均値と比較することが重要です。
Q5. 収益性が低いとわかった場合、まず何から手を付ければいいですか?A. 原価や固定費の見直しから着手するのが一般的です。そのうえで価格戦略や販売チャネルの改善を進めます。
まとめ|収益性分析で会社の「稼ぐ力」を強化しよう
収益性分析とは、企業がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを数値で可視化する方法です。売上高総利益率や営業利益率、ROAやROEといった指標を活用すれば、自社の稼ぐ力を客観的に評価できます。
分析結果は、同業他社との比較や経年変化の確認に役立ち、価格戦略の見直しやコスト削減、利益率の高い事業への集中といった改善施策につなげることが可能です。
ただし、収益性だけを追い求めるのではなく、安全性や成長性とのバランスも考慮することが健全経営の鍵です。
この記事で紹介した収益性分析の方法を活用すれば、自社の強みと課題を明確化し、利益率を高めるための具体的なアクションを取れるようになります。ぜひ今日から決算書や月次レポートを活用して、自社の「稼ぐ力」を定期的にチェックし、数字に強い経営を実現しましょう。





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