創業計画書とは?作成のポイントを項目ごとに解説
- FA

- 6月30日
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目次05.融資成功率を上げるための実践的アドバイス
事前に「無料相談」を活用して、公庫担当者の視点を知る
面談対策:計画書の内容を一貫して説明できるように
自己資金は数字と証拠で示す
創業計画書とは?作成のポイントを項目ごとに解説
創業計画書とは
創業計画書とは、起業・開業を予定している人が事業の概要、資金計画、将来性などを具体的にまとめた資料です。主に「日本政策金融公庫」や地方自治体の創業支援融資を受ける際に提出を求められます。
事業計画書との違いは?創業計画書:創業前〜初期の具体的計画(公庫向け)
事業計画書:全体的なビジネスモデルと戦略(投資家・補助金向け)
創業計画書の構成と内容一覧
創業計画書は以下の8項目で構成されることが一般的です。(日本政策金融公庫の場合)
基本情報(氏名・業種・所在地など)
創業の動機
事業の概要
取扱商品・サービスの特徴
販売・仕入の方法
人員計画・人件費
必要な資金とその調達方法
損益計画・資金繰りの見通し

各項目の書き方と作成ポイント
創業の動機自分の経験・市場のニーズと起業の理由をつなげて書く。
NG例:"昔からの夢だった"
OK例:"飲食業界で10年勤務し、地元に健康志向のカフェが少ないと感じたため起業を決意"
事業内容・サービスの特徴誰に・何を・どう売るかを明確に
競合他社との差別化(価格・品質・提供スピードなど)も記述
販売・仕入の方法オンライン販売か実店舗か、販路はどこか?
仕入先の確保、在庫リスク対策についても触れる
人員・人件費の計画創業初期はどのような人員体制か
アルバイト・業務委託の活用も検討ポイント
必要資金と資金調達の内訳設備資金、運転資金、広告費などを具体的に分類
自己資金の割合は審査時に重要な判断材料に
損益計画・資金繰りの見通し売上、経費、利益を月別に3年間分試算
記載する数字には必ず根拠(顧客数・単価・回転率など)を添える

よくある失敗例とその対策
❌ 失敗パターン | 🔍 詳細と改善ポイント |
数字に一貫性がない | たとえば「必要資金が500万円」と記載しながら、収支計画にその内訳が反映されていないなどの矛盾はNG。売上予測・利益率・仕入原価などの数値を整合性ある形で記述しましょう。事前にExcelでシミュレーションし、「なぜこの数字なのか」の説明も用意しておくと◎。 |
抽象的な表現が多い | 「地域貢献したい」「お客様のために頑張る」などは評価されません。誰に・何を・どの価格帯で・どのように提供するかまで明確に。例:「20〜30代の女性をターゲットに、SNS映えする無添加ドリンクを1杯580円でテイクアウト販売」のように、数値と行動を交えた表現にするのがコツ。 |
差別化ポイントが見えない | 公庫は「なぜ今このビジネスなのか」「他と何が違うのか」を重視します。同業他社と比較して、価格・営業時間・提供方法・立地などで差別化できるポイントを明確に記述。競合分析の簡単な表(○○店はランチ営業なし→自社は朝7時から営業)を入れるとさらに効果的。 |
市場調査が不十分 | 「需要があるはず」では説得力に欠けます。アンケート結果、地域の人口統計、SNSのフォロワー数、Googleトレンドなど、具体的なデータや実績を補足しましょう。数字があればあるほど説得力が増します。 |
融資成功率を上げるための実践的アドバイス
事前に「無料相談」を活用して、公庫担当者の視点を知る日本政策金融公庫では、無料の事前相談を実施しています。相談の場で、担当者がどこを重視するか、どんな表現が伝わりやすいかなどを把握しておくと、計画書の内容も面談対応もブラッシュアップできます。
面談対策:計画書の内容を一貫して説明できるように面談時に「この内容は何を根拠にしていますか?」と聞かれて、すぐに答えられないのはマイナス評価。計画書に書いた数字や方針は、自分の言葉で説明できるように練習しておきましょう。プレゼン練習やロールプレイも有効です。
自己資金は数字と証拠で示す審査担当者は「自己資金=本気度」と見ています。預金通帳のコピーや確定申告書など、実際に“貯めた履歴”や“入金状況”を提示できると信頼性が高まります。少額でも構いませんが、具体的な金額と用途を記載することが重要です。

よくある質問
Q:創業計画書は手書きでもいいですか?A:手書きでも提出は可能ですが、パソコンで作成した方が視認性が高く、修正・再提出も容易です。公庫担当者にも読みやすく、好印象を与える可能性が高まります。
Q:自己資金が少なくても創業融資は通りますか?A:ゼロでも通過例はありますが難易度は上がります。1割以上の自己資金(例:300万円借入希望なら30万円以上)を目安に準備しましょう。少なくても「どのように貯めたか」や「今後の積立計画」などの説明があると前向きに評価されます。
Q:収支や資金繰りの数字に自信がありません。A:税理士・商工会議所・創業支援センターなどを活用しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、根拠ある数字を示せるようになります。公庫の担当者も、第三者によるサポートを受けていると安心感を持ってくれます。
Q:開業前でも創業計画書は作成できますか?A:もちろん作成可能です。むしろ、開業前にしっかり計画を立てておくことで、自己資金の使い方や物件取得のタイミングなど、具体的な行動がスムーズになります。計画書の作成を通じて、事業イメージが明確になることも多いです。
まとめ:創業計画書は“未来の自分”への宣言書
創業計画書は、融資のためだけでなく、事業の成功確率を高めるための「経営設計図」です。
本記事の内容を活かし、信頼される創業計画書を作り、夢の実現に一歩近づきましょう。





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